起訴・不起訴とはどういうものですか |刑事示談交渉に特化・刑事事件に強い弁護士-大阪弁護士会所属

刑事事件の示談交渉は
初期の対応が重要です

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起訴・不起訴とはどういうものですか

検察官が被疑者を刑事裁判にかけることを起訴と呼びます。不起訴とは起訴をしないこと、検察官が被疑者を刑事裁判にかけないという判断を下すことです。

詳細な回答

刑事事件が検察官に送致(送検)されると、必ずどこかの時点で検察官はその事件の被疑者を刑事裁判にかけるか否かということを決めます。
刑事裁判にかけるという処分が「起訴」、刑事裁判にかけないという処分が「不起訴」です。

起訴には次の3種類があります。

  • (A)通常の起訴(公判請求)
  • (B)略式手続(略式起訴)
  • (C)即決裁判手続

「通常の起訴」は一般的な刑事裁判にかけることです。
被告人は決められた期日に裁判所に出廷して、裁判官、検察官、弁護人の三者が揃って尋問や判決言渡しといった手続を進めていきます。
比較的単純な事案で被告人が罪を認めている自白事件でも起訴から第一審の判決言渡しまでには1か月以上かかります。

「略式手続」は簡易な手続による刑事裁判です。
通常の起訴(刑事裁判)のように被告人が裁判所に出廷することはありません。
裁判所への出廷が必要ないので弁護人(刑事弁護を行う弁護士)をつける必要もありません。
略式手続は検察官から提出された資料のみに基づいて裁判官が一般には非公開の小さな部屋で書面審査を行い、その上で略式命令という判決に似た判断を下します。
略式命令は100万円以下の罰金または科料と決まっているので、懲役刑や禁固刑、死刑が命じられることは絶対にあり得ません
下された略式命令は自宅に郵送されてくるので、あとはその略式命令で決められた罰金を納付して終わりとなります。

「即決裁判手続」も簡易な手続による刑事裁判です。
略式手続と異なり被告人は裁判所に出廷しなければなりません。
ただし通常の起訴(裁判)と異なって判決は原則として即日言渡しとなります。
また有罪判決で懲役または禁錮とする場合は必ず刑の全部に執行猶予がつくという特徴があります。

 

これら3つの起訴処分に対して被疑者を「起訴しない」とする処分が「不起訴」です。
不起訴には次の3種類があります。

  • (a)嫌疑なし
  • (b)嫌疑不十分
  • (c)起訴猶予

「嫌疑なし」は問題となっている被疑事件について「被疑者がその行為者でないことが明白なとき」または「犯罪の成否を認証すべき証拠のないことが明白なとき」と検察官が判断したときになされる不起訴処分です。
逮捕した被疑者の捜査を進めたところ明らかに真犯人ではないことが判明したという誤認逮捕のようなケースが典型例です。

「嫌疑不十分」「犯罪の成立を認定すべき証拠が不充分なとき」と検察官が判断したときになされる不起訴処分です。
ある事件の犯人らしき被疑者を逮捕したけれども証拠が足りていなかったり被害者の証言があやふやだったりして、起訴しても有罪判決にまで持っていけるかどうか微妙な事案の場合に「嫌疑不十分」による不起訴が検討されます。

「起訴猶予」被疑者が犯人であることは明白で刑事裁判で有罪判決に持ち込めるだけの証拠も十分にあるけれども「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としない」(刑訴法248条)と検察官が判断したときになされる不起訴処分です。
示談がまとまったときの不起訴処分はほとんどがこの「起訴猶予」となります。

 

日本の刑事手続では起訴されて刑事裁判にかけられた事件の99%以上が有罪判決で終わりを迎えます。
つまり起訴された時点で刑罰を受けて前科持ちになる未来がほぼ確定するということです。

これを積極的に回避するには被害者との示談を早期に取りまとめて不起訴処分を勝ち取るのが第一に検討すべき対応となります。

 

刑事訴訟法

第四百六十一条 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。

第四百六十一条の二 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
② 被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。

第四百六十二条 略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。
② 前項の書面には、前条第二項の書面を添附しなければならない。

第三百五十条の二 検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件(以下単に「他人の刑事事件」という。)について一又は二以上の第一号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性の程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、被疑者又は被告人との間で、被疑者又は被告人が当該他人の刑事事件について一又は二以上の同号に掲げる行為をし、かつ、検察官が被疑者又は被告人の当該事件について一又は二以上の第二号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。
一 次に掲げる行為
イ 第百九十八条第一項又は第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して真実の供述をすること。
ロ 証人として尋問を受ける場合において真実の供述をすること。
ハ 検察官、検察事務官又は司法警察職員による証拠の収集に関し、証拠の提出その他の必要な協力をすること(イ及びロに掲げるものを除く。)。
二 次に掲げる行為
イ 公訴を提起しないこと。
ロ 公訴を取り消すこと。
ハ 特定の訴因及び罰条により公訴を提起し、又はこれを維持すること。
ニ 特定の訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回又は特定の訴因若しくは罰条への変更を請求すること。
ホ 第二百九十三条第一項の規定による意見の陳述において、被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述すること。
ヘ 即決裁判手続の申立てをすること。
ト 略式命令の請求をすること。
② 前項に規定する「特定犯罪」とは、次に掲げる罪(死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たるものを除く。)をいう。
一 刑法第九十六条から第九十六条の六まで若しくは第百五十五条の罪、同条の例により処断すべき罪、同法第百五十七条の罪、同法第百五十八条の罪(同法第百五十五条の罪、同条の例により処断すべき罪又は同法第百五十七条第一項若しくは第二項の罪に係るものに限る。)又は同法第百五十九条から第百六十三条の五まで、第百九十七条から第百九十七条の四まで、第百九十八条、第二百四十六条から第二百五十条まで若しくは第二百五十二条から第二百五十四条までの罪
二 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第三条第一項第一号から第四号まで、第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪、同項第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪の未遂罪又は組織的犯罪処罰法第十条若しくは第十一条の罪
三 前二号に掲げるもののほか、租税に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の罪その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの
四 次に掲げる法律の罪
イ 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)
ロ 大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)
ハ 覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)
ニ 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)
ホ 武器等製造法(昭和二十八年法律第百四十五号)
ヘ あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)
ト 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)
チ 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)
五 刑法第百三条、第百四条若しくは第百五条の二の罪又は組織的犯罪処罰法第七条の罪(同条第一項第一号から第三号までに掲げる者に係るものに限る。)若しくは組織的犯罪処罰法第七条の二の罪(いずれも前各号に掲げる罪を本犯の罪とするものに限る。)
③ 第一項の合意には、被疑者若しくは被告人がする同項第一号に掲げる行為又は検察官がする同項第二号に掲げる行為に付随する事項その他の合意の目的を達するため必要な事項をその内容として含めることができる。

第三百五十条の十六 検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件については、この限りでない。
② 前項の申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。
③ 検察官は、被疑者に対し、前項の同意をするかどうかの確認を求めるときは、これを書面でしなければならない。この場合において、検察官は、被疑者に対し、即決裁判手続を理解させるために必要な事項(被疑者に弁護人がないときは、次条の規定により弁護人を選任することができる旨を含む。)を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げなければならない。
④ 被疑者に弁護人がある場合には、第一項の申立ては、被疑者が第二項の同意をするほか、弁護人が即決裁判手続によることについて同意をし又はその意見を留保しているときに限り、これをすることができる。
⑤ 被疑者が第二項の同意をし、及び弁護人が前項の同意をし又はその意見を留保するときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。
⑥ 第一項の書面には、前項の書面を添付しなければならない。

第三百五十条の十七 前条第三項の確認を求められた被疑者が即決裁判手続によることについて同意をするかどうかを明らかにしようとする場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。
② 第三十七条の三の規定は、前項の請求をする場合についてこれを準用する。

第三百五十条の十八 即決裁判手続の申立てがあつた場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。

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