被害者に渡すお金はなるべく少なくしたいです |刑事事件の示談交渉を得意とする弁護士

刑事事件の示談交渉は
初期の対応が重要です

header-tel

被害者に渡すお金はなるべく少なくしたいです

適正金額を大きく下回る金額で示談しようとすると示談不成立のリスクが上がったり、示談しても起訴される危険が高まったりするということに注意が必要です。

詳細な回答

刑事事件の示談では罪名や事案の内容に応じた適正金額の幅、「相場」のようなものが存在します。
例えば
「痴漢 示談 相場」
というようなキーワード検索を行うと、
「痴漢(迷惑防止条例違反)の示談金の相場は30万円~50万円です!」
というようなことを書いたページがいくつも出てきます。

これはあくまで目安に過ぎず、実際の解決金(慰謝料)の額は当事者の意向によって決まりますし、罪名や犯行態様の他、加害者と被害者の従前の関係性、社会的地位や属性、経済力、性格によって金額は上にも下にもブレます。
現に士道法律事務所の過去の「痴漢(迷惑防止条例違反)」について言えば、多くが30万円~40万円の金額帯に集中していますが、20万円台だったケースも複数あり、50万円まで至ったケースも少数ながらあります。

結局のところ『その事件』で最終的にどのくらいの解決金が必要になりそうかということは、法律相談の段階で弁護士が細かく事情を聴き取った上で経験に基づいて予測を立てるしかないのです。

士道法律事務所では、
「いつ、どこで、誰が、誰に対して、何を、どうしたか」
という基本情報は当然として、様々な周辺情報を相談者(加害者)から聴き取っていきます。

  • ・事件当時に飲酒していたか、事件についての記憶の程度はどうか
  • ・被害者は事件当時どんな言動を取っていたか
  • ・被害者とは事件前から知り合いか、知り合いなら被害者の性格は
  • ・被害者と面識がないなら言動や服装からどんな性格と思われるか
  • ・被害者側と事件後に何かやり取りがあればどんなやり取りをしたか
  • ・被害者に弁護士はついているか、ついていれば何を言われているか
  • ・加害者の家族構成は、親族の協力は得られそうか
  • ・加害者の職業は、職場に知られた場合のペナルティはあるか

ここに挙げていないものでも示談交渉に役立ちそうな情報はいくつかあります。
そういった事実を収集し、過去の経験に照らして予測を行います。
示談の成否や解決金の額に関して、この予測が大きく外れたことはほとんどありません。

刑事示談交渉の依頼を受けるときは必ずこの経験則に基づく予想を依頼者にお伝えしており、ほとんどの方は弁護士のアドバイスに従った示談交渉を進めていただけます。

 

しかし、ごくまれにではありますが、
「被害者は今でも自分のことを好きでいてくれているはずだ」
「周りの人間が金額について入れ知恵をしているに違いない」
「自分が手を出したのは先に被害者がこういう事をしたから」
などと言って被害者に支払う解決金の額をとにかく削ろうとする人がいます。

 

第一の問題点として、こういうことをすると示談失敗のリスクが跳ね上がります
先に述べたように今の時代、少し検索すれば色々な情報が出てきます。
つまり
「加害者だけでなく被害者も相場を調べる可能性が高い」
ということです。

実際、一度金額の提示をした後に被害者から
「慰謝料の相場調べました。相場の再低額じゃないですか! 私にはこの程度払っておけばいいと考えてるってことですか!」
と言われたこともあります。

そもそも「相場」というのはそれ自体が勝手に自然に生まれるものではなく、「こういう被害に遭った人はどのくらいの金額で一応の納得を見せて矛を収めたか」という過去のデータの積み重ねによるものです。
ですから被害者が「相場」を知っていようがいまいが、一定の範囲内で収まりやすくなるものですし、最悪被害者が過大な金額を言ってきた場合には、
「今回の事件だとこのくらいが目安なので。疑うならご自身で相場を調べてみては?」
という説得の手法も使えることになるのです。

たまたま被害者がお金に執着しない人だったとか、交渉を面倒臭がる人だったとかの偶然の事情、単なるラッキーで金額が低くなることもあるのかもしれませんが。
刑事示談交渉に当たる弁護士としては、そのようなあるかないかもわからない幸運を当てにするのではなく、確実に適正範囲内で事態を収めるよう理を尽くすのが何よりも大事であると考えています。

 

第二の問題点として、示談しても起訴されてしまうリスクが生じます

【示談すると絶対に不起訴になるのですか】

に詳細は記載してありますが、「示談=不起訴」ではありません。

「示談」というものがまとまれば何でもいいというわけではないということにも注意は必要です。
警察や検察は「どういう内容の示談がまとまったのか」ということに大きな関心を持ちます。
それは加害者の謝罪が被害者に受け入れられているかとか、被害者が加害者を許す旨の条項(宥恕文言)があるかどうかとかだけでなく、「金額」にも及びます。

示談がまとまると弁護士は捜査機関にその旨の報告を行うのですが、そのときに必ずといっていいほど
「ちなみに金額はいくらですか」
と聞かれます。

示談交渉開始前に検察官に受任の連絡を入れたときに
「本件の内容や罰則に照らして、解決金が●万円以下なら示談しても検察は起訴する」
と言われたこともあります。

解決金は
「加害者がどの程度の経済的ダメージを負ったのか」
ということを示す指標ともなるので、いくら被害者が納得したからといってもあまりに低い金額での示談だと、罰金や懲役といった刑事上のペナルティを回避させるのは適切でない、と検察官が判断する可能性も出てくるのです。

 

誤解のないよう大事な点をお伝えしておくと、
被害者に要求されるがままにお金を払うべきだと言っているわけではない
ということです。

当事務所の過去の取扱い事例の中には
「被害は軽微なはずなのに被害者がとんでもない金額を請求してきた」

というケースも僅かではありますが存在します。

そういうケースでは弁護士の方から
「この事案の内容だったらこちらから提示すべき金額は高く見てもこのくらい」
と伝えて、こちらから示談を拒否するようアドバイスすることもあります。

たとえ起訴されるリスクが迫っているとしても、明らかに不当な金額を払ってまで示談をすべきではないこともあるからです。

 

同様に、現に被害に遭った人への償いを不当に値切るようなこともするべきではありません。

 

士道法律事務所は刑事事件の示談交渉に特化した法律事務所であり、過去のデータに基づいて解決金額の予測を立てています。
その予測にはれっきとした根拠と意味があります。
確実に示談をまとめて不起訴を目指すために、是非とも弁護士のアドバイスに耳を傾けてください。

ad-img1 ad-img2
ad-img3 ad-img4