起訴後勾留・被告人勾留とはどういうものですか |刑事事件の示談交渉を得意とする弁護士

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起訴後勾留・被告人勾留とはどういうものですか

起訴後の被告人の身体を拘束する強制処分のことです。最初は原則2か月、その後は刑事裁判が終わるまで1か月単位で更新されていきます。

詳細な回答

検察官による起訴がなされると「被疑者」「被告人」と呼び名が変わります。
起訴後に被告人の身柄を拘束しておく必要があると判断されると勾留が検討されます。
被疑者段階の身柄拘束処分である「勾留」と同じ呼び名ですが対象となる者や期間が異なるため、
被疑者段階での勾留は「起訴前勾留・被疑者勾留」
被告人段階での勾留は「起訴後勾留・被告人勾留」
と呼び分けます。

被疑者勾留と被告人勾留は根拠となる条文が同じなので要件も同じです(刑訴法60条)。

①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり
②以下のいずれかに当たる場合
ア 被疑者が定まった住居を有しない
イ 被疑者が罪障を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある
ウ 被疑者が逃亡しまたは逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある

被疑者段階では自由の身だったのに被告人になってから拘束された、ということはまず起こりません。
勾留されるべきと判断される人は被疑者段階から勾留されています。
被疑者勾留がなされている場合、起訴されると特段の手続を要せず自動的に被告人勾留に移行します。

被疑者勾留と被告人勾留の最大の違いは期間です。
被疑者勾留は原則10日間、延長して最長20日間。
これに対して被告人勾留は初回2か月間、その後1か月単位で更新が可能です。

更新は一定の例外を除き1回に限られるとされています(刑訴法60条2項)。

もっともこの例外というのが
①死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役もしくは禁固に当たる罪
②常習として長期3年以上の懲役または禁錮に当たる罪
③被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
④被告人の氏名又は住居がわからないとき
というもので(刑訴法60条2項但書、89条1号3号4号6号)、どんな事件でも
「証拠物件は収集済みだが被害者その他の証人に不当な働きかけをするかもしれない」
という理屈をこねて③が認められてしまうので、保釈その他の身柄解放手続を取らない限り裁判が終わるまで勾留は更新され続けるものだと考えておいた方がよいでしょう。

また被疑者勾留と被告人勾留はその目的に違いがあるとされています。
被疑者勾留の目的は証拠隠滅や逃亡を防ぐため、あと実務上の理由として捜査の便宜を図るためです。
一方被告人勾留の目的としては証拠隠滅や逃亡の防止の他に「裁判期日における被告人の出頭確保」が挙げられます。

日本の刑事裁判の有罪率は99%以上、起訴された時点でほぼ確実な有罪判決が待っています。
被告人を自由の身としていると有罪判決を恐れて逃亡してしまうおそれが高まります。
そして被告人が出廷していないと刑事裁判の手続を進めることができません。
そのため、被告人を警察署の留置施設や拘置所に確保しておいて、公判期日に確実に出頭できるような体制を整えておく必要があるということになるのです。

 

刑事訴訟法

第六十条 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
② 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。
③ 三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。

第八十九条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏い怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

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