強要
強要の示談交渉についての解説
強要とは
「強要」は、脅迫または暴力を用いて他人に義務のないことを行わせたり権利の行使を妨害したりすることを言います。
この脅迫は
①被害者本人またはその親族に向けられた
②生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対して害を加える旨の告知
である必要があります。
そのため、
「彼女を殴られたくなかったら土下座しろ!」と脅迫した(①を満たさない)
「土下座しろ!」と単に強い口調で要求して土下座させた(②を満たさない)
といった場合は本罪が成立しません。
「強要」を処罰するための法律は次のとおりです。
生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨告知して人を脅し畏怖させた場合(財物は交付させない)には「脅迫」となります。
相手を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫により相手を畏怖させて財物を交付させた場合には「恐喝」となります。
相手を抑圧する程度の暴行や脅迫により相手を畏怖させて財物を強取した場合には「強盗」となります。
「脅迫」について知りたい場合は【こちら】。
「恐喝」について知りたい場合は【こちら】。
「強盗」について知りたい場合は【こちら】。
強要事件では示談が何より大事!
強要が問題となるケースで多いのは、飲食店やコンビニで店員に因縁をつけて土下座をさせた、というパターンです。
強要等の事実が捜査機関に知れるとまず警察署で取調べを受け、場合によっては逮捕されることもあります。
自宅にも警察官がやってきてスマホやパソコンを差し押さえられることもあります。
その後事件は検察に送致され、最終的に検察官が
- ・被疑者(容疑者)を刑事裁判にかける(=起訴)
- ・刑事裁判にかけるのを一旦見送る(=不起訴)
のどちらかの処分とすることを決めます。
起訴されてしまえばほぼ100%有罪判決が下され、裁判所で言い渡された刑罰を受け、「前科」という一生拭えない烙印を押されることとなります。
これを回避するには処分が決まる前に被害者との示談をまとめて「不起訴」の処分を勝ち取るしかありません。
強要の示談金の相場
士道法律事務所では年間40~50件ほど刑事事件の示談交渉を受任しています。
この経験に基づく「強要」の示談金(慰謝料、解決金)の相場は
となっています。
ただしこれはあくまで一つの目安に過ぎません。
一口に「強要」といっても、暴行・脅迫の態様や被害者に行わせた行為の内容等は様々です。
また被害者の年齢や性格、共犯者の有無、犯行発覚後の加害者の行動、加害者と被害者の関係性、被害者側弁護士の有無といった要素によっても金額は大きく変化します。
具体的にどのくらいの金額となることが見込まれるかについては、初回一時間無料の法律相談において詳しい事情を聴き取った上でご説明します。
強要の示談成功率
これは士道法律事務所の「刑事事件の示談成立件数」を「刑事事件示談交渉の全受任件数」で割った数字です(2022年3月時点)。
ただしこれには「警察や検察を通じて示談の申し入れをしたが被害者が示談交渉そのものを拒否したケース」も含まれています。
これを除外して当事務所の弁護士が被害者(またはその代理人)と直接交渉することができたケースに限定すると示談成功率は
【約94%】
です。
示談交渉は示談を得意とする弁護士に!
士道法律事務所はお問い合わせのうち60~70%が刑事事件の示談交渉に関するものという全国的にも珍しい刑事示談交渉に特化した弁護士事務所となっています。
強要を始めとする刑事事件の示談交渉は士道法律事務所が最も注力し、専門性を高めている分野となります。
刑事示談交渉はただ金額の交渉を行えばよいというものではありません。
被害者の心情も理解した上で、注意深く、誠実に話を進める必要があります。
士道法律事務所の代表弁護士はこの点を重視して常に丁寧な交渉を心掛けており、それが前述の高い示談成功率にも表れているものと自負しています。
強要の示談交渉は刑事示談交渉の専門家である士道法律事務所にお任せください!
強要の刑罰
強要で起訴されてしまった場合、以下の刑罰が科されます。
刑法223条違反(強要)
3年以下の懲役
強要に関する条文
刑法
(強要)
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。