略取・誘拐 | 刑事事件の示談交渉を得意とする弁護士

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初期の対応が重要です

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略取・誘拐

略取・誘拐の示談交渉についての解説

略取・誘拐とは

大阪の刑事弁護士による略取・誘拐の示談交渉

「略取」は、暴行または脅迫を加えて人を生活環境から不法に離脱させて自己または第三者の支配下に置くことを言います。
「誘拐」は、詐欺または誘惑により人を自己または第三者の支配下に置いて居所を移させることを言います。

未成年者を略取または誘拐した場合は「未成年者略取・誘拐」となります。
営利、わいせつ、結婚または生命もしくは身体に対する加害の目的で略取または誘拐した場合は「営利目的等略取・誘拐」となります。
近親者その他被害者の安否を憂慮する者に財物を交付させる目的で略取または誘拐した場合は「身代金目的略取等」となります。
所在国外に移送する目的で略取または誘拐した場合は「所在国外移送目的略取・誘拐」となります。
人を買い受けたり人を売り渡したりした場合は「人身売買」となります。
略取・誘拐・人身売買された人を所在国外に移送した場合は「被略取者等所在国外移送」となります。
略取・誘拐・人身売買された人の引き渡し・収受・輸送・蔵匿・隠避した場合は「被略取者引渡し等」となります。
「身代金目的略取等」を行う目的でその準備をした場合は「身代金目的略取等予備」となります。

「略取・誘拐」を処罰するための法律は次のとおりです。

刑法224条(未成年者略取及び誘拐罪)
刑法225条(営利目的等略取及び誘拐罪)
刑法225条の2(身代金目的略取等罪)
刑法226条(所在国外移送目的略取及び誘拐罪)
刑法226条の2(人身売買罪)
刑法226条の3(被略取者等所在国外移送罪)
刑法227条(被略取者引渡し等罪)
刑法228条の3(身代金目的略取等予備罪)

「身代金目的略取等」に関連する罪(身代金目的略取等予備を除く)の犯人が公訴提起前に被害者を安全な場所に解放したときは刑の減軽がなされます(228条の2)。
「身代金目的略取等予備」の場合は犯人が実行に着手する前に自首したときは刑の減軽または免除がなされます(228条の3但書)。

人の身体に直接的な強制力による拘束を加えて移動の自由を奪った場合には「逮捕」、一定の場所からの脱出を物理的または心理的に困難にさせて移動の自由を奪った場合には「監禁」となります。

「逮捕・監禁」について知りたい場合は【こちら】

略取・誘拐事件では示談が何より大事!

実は略取・誘拐が問題となるケースで多いのは、一般の方がイメージするような
「家族が事故に遭ったと言ったりおもちゃで釣ったりして小さい子を連れ去る」
というパターンではありません。
「SNSで知り合った家出未成年を自宅に誘った」
といったパパ活・援交の延長のようなケースで親が捜索願を出していた、というものです。

略取・誘拐の事実が捜査機関に知れるとまず警察署で取調べを受け、場合によっては逮捕されることもあります。
自宅にも警察官がやってきてスマホやパソコンを差し押さえられることもあります。
その後事件は検察に送致され、最終的に検察官が

  • ・被疑者(容疑者)を刑事裁判にかける(=起訴)
  • ・刑事裁判にかけるのを一旦見送る(=不起訴)

のどちらかの処分とすることを決めます。
起訴されてしまえばほぼ100%有罪判決が下され、裁判所で言い渡された刑罰を受け、「前科」という一生拭えない烙印を押されることとなります。
これを回避するには処分が決まる前に被害者との示談をまとめて「不起訴」の処分を勝ち取るしかありません。

略取・誘拐の示談金の相場

士道法律事務所では年間40~50件ほど刑事事件の示談交渉を受任しています。
この経験に基づく「略取・誘拐」の示談金(慰謝料、解決金)の相場は

??万円~??万円

となっています。

①発生件数の少ないレア犯罪で過去の相談例や解決例がほとんどない
②基本的には示談というものに馴染まない類型の犯罪だから
という理由によるもので、士道法律事務所でも過去の対応例がないわけではないのですが、件数が少なすぎてデータベースとして参考にならないのです。

もっとも、事案の態様に応じた相当額の判定は可能です。
示談が想定されるとすれば比較的軽微な内容の犯行態様となるはずで、例えばわいせつ目的誘拐なら「強制わいせつ」等の示談金に+αを上積みするという発想になります。
略取・誘拐に至る経緯やわいせつ行為の態様、被害者の年齢や属性、共犯者の有無、犯行発覚後の加害者の行動、加害者と被害者の関係性、被害者側弁護士の有無といった要素にもよりますが、このケースであれば

30万円~100万円

くらいが一つの目安になろうかと思います。
具体的にどのくらいの金額となることが見込まれるかについては、初回一時間無料の法律相談において詳しい事情を聴き取った上でご説明します。

略取・誘拐の示談成功率

約89%

これは士道法律事務所の「刑事事件の示談成立件数」を「刑事事件示談交渉の全受任件数」で割った数字です(2022年3月時点)。

ただしこれには「警察や検察を通じて示談の申し入れをしたが被害者が示談交渉そのものを拒否したケース」も含まれています。
これを除外して当事務所の弁護士が被害者(またはその代理人)と直接交渉することができたケースに限定すると示談成功率は
【約94%】
です。

示談交渉は示談を得意とする弁護士に!

士道法律事務所はお問い合わせのうち60~70%が刑事事件の示談交渉に関するものという全国的にも珍しい刑事示談交渉に特化した弁護士事務所となっています。
略取・誘拐を始めとする刑事事件の示談交渉は士道法律事務所が最も注力し、専門性を高めている分野となります。
刑事示談交渉はただ金額の交渉を行えばよいというものではありません。
被害者の心情も理解した上で、注意深く、誠実に話を進める必要があります。
士道法律事務所の代表弁護士はこの点を重視して常に丁寧な交渉を心掛けており、それが前述の高い示談成功率にも表れているものと自負しています。
略取・誘拐の示談交渉は刑事示談交渉の専門家である士道法律事務所にお任せください!

略取・誘拐の刑罰

略取・誘拐で起訴されてしまった場合、以下の刑罰が科されます。

刑法224条違反(未成年者略取及び誘拐)

3月以上7年以下の懲役

刑法225条違反(営利目的等略取及び誘拐)

1年以上10年以下の懲役

刑法225条の2違反(身代金目的略取等)

無期または3年以上の懲役

刑法226条違反(所在国外移送目的略取及び誘拐)

2年以上の懲役

刑法226条の2違反(人身売買)

人を買い受けた場合:3月以上5年以下の懲役
未成年を買い受けた場合:3月以上7年以下の懲役
営利・わいせつ・結婚・生命身体に対する加害目的で人を買い受けた場合:1年以上10年以下の懲役
人を売り渡した場合:1年以上10年以下の懲役
所在国外移送目的で人を売買した場合:2年以上の懲役

刑法227条違反(被略取者引渡し等)

身代金目的略取等の犯人の幇助目的で引き渡し等した場合:1年以上10年以下の懲役
身代金目的略取等以外の犯人の幇助目的で引き渡し等した場合:3月以上5年以下の懲役
営利目的等の被害者を引き渡し等した場合:6月以上7年以下の懲役
身代金目的の被害者を収受した場合:2年以上の懲役

刑法228条の2違反(身代金目的略取等予備)

2年以下の懲役

略取・誘拐に関する条文

刑法

(未成年者略取及び誘拐)
第二百二十四条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
(営利目的等略取及び誘拐)
第二百二十五条 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
(身の代金目的略取等)
第二百二十五条の二 近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
 人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。
(所在国外移送目的略取及び誘拐)
第二百二十六条 所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期懲役に処する。
(人身売買)
第二百二十六条の二 人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
 未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
 人を売り渡した者も、前項と同様とする。
 所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。
(被略取者等所在国外移送)
第二百二十六条の三 略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期懲役に処する。
(被略取者引渡し等)
第二百二十七条 第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
 第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
 営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
 第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期懲役に処する。略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。
(未遂罪)
第二百二十八条 第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二百二十六条から第二百二十六条の三まで並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。
(解放による刑の減軽)
第二百二十八条の二 第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。
(身の代金目的略取等予備)
第二百二十八条の三 第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
(親告罪)
第二百二十九条 第二百二十四条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

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【記事作成者情報】
士道法律事務所 弁護士 飯島充士(大阪弁護士会

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